主賓(上司)挨拶 5分・かたい調子
ただいまご紹介にあずかりました、◯◯株式会社の△△でございます。本日はお招きにあずかり、誠にありがとうございます。僭越ではございますが、ご指名によりまして、お祝いの言葉を申し上げます。
◯◯くん、△△さん、ご結婚おめでとうございます。ご両家の皆さまにおかれましても、心よりお祝い申し上げます。
さて、◯◯くんとの付き合いは、彼が新入社員として配属されたときからでございます。もう七年になります。
配属の初日、彼は資料を抱えて席に座り、夕方までほとんど動きませんでした。声をかけますと、「まず全部読んでから質問をまとめます」と申します。効率のよいやり方ではございません。けれども翌日、彼が持ってきた質問の紙には、こちらが答えに詰まるものが並んでおりました。この人は、手前で止まらずに奥まで行く人だと、そのとき思いました。
三年目に、大きな案件を任せました。正直に申しますと、少し早いと考えておりました。案の定、途中で行き詰まり、彼は夜遅くまで残るようになりました。心配して声をかけましたところ、返ってきたのは「もう少しやってみます」でした。愚痴も言い訳も、一度も聞いたことがございません。結果として、その案件は今も続く取引になっております。
彼のもう一つのよさは、人の仕事をよく見ていることでございます。手が空いたときに、誰が忙しいかを見て自分から動く。若い者が困っていれば、隣に座って一緒に考える。教え方が上手というよりも、相手が分かるまで付き合う人です。おかげさまで、彼の下についた者は、みな仕事を続けております。
本日、こうしてお二人のお姿を拝見しております。◯◯くんの表情が、職場で見るものとずいぶん違うことに気づきました。力の抜けた、穏やかな顔をしております。人はひとりでこうはなれません。△△さんとお過ごしになる時間が、彼にそういう顔をさせたのだと思います。
△△さんに、一つだけお願いがございます。彼は責任感が強く、抱えすぎるところがございます。職場では頼りにしておりますが、家に帰ってまで気を張っていては、いつか続かなくなります。ご家庭では、どうか肩の力を抜かせてやってください。それが、彼が長く働くための、いちばん確かな支えになります。
◯◯くん、これからは守るものができました。仕事のやり方も、少しずつ変わってまいります。無理をせず、しかし手は抜かず、これまでどおりでいてください。
昨年、彼に後輩の指導を任せました。教えるのが上手なわけではございません。説明も、どちらかといえば回りくどいほうでございます。ただ、相手が分かるまで隣に座っている。分かったふりをされたら、はじめからやり直す。時間のかかるやり方でございますが、彼に教わった者は一人も辞めておりません。数字には出ませんが、会社にとって大きなことでございます。
先日、彼の担当する取引先の方から、こういうお話を伺いました。困ったときにすぐ連絡が取れる、返事が早い、それだけで安心できる、と。特別なことは何もしておりません。しかし、当たり前を続けるというのは、実のところ最も難しいことでございます。
お二人の末永いお幸せと、ご両家のいっそうのご繁栄を祈念いたしまして、わたくしの挨拶とさせていただきます。本日は、誠におめでとうございます。
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