親族代表の挨拶 5分・やわらかい調子
ご紹介いただきました、新婦の伯父にあたります◯◯でございます。本日はお忙しいなか、またお遠いところをお運びいただき、誠にありがとうございます。僭越ではございますが、親族を代表して、ご挨拶を申し上げます。
◯◯さん、△△さん、ご結婚おめでとうございます。ご両家の皆さまにも、心よりお祝い申し上げます。
◯◯が生まれたとき、私はまだ学生でございました。病院へ会いに行きまして、抱かせてもらったのを覚えております。小さくて、こちらの手のほうが震えておりました。あれから三十年近く経ちまして、今日この場に立っております。時間というのは、こういう形で分かるものかと思います。
小さい頃の◯◯は、あまり自分から前に出る子ではございませんでした。人の後ろに立って、様子を見てから動く。心配することもございました。ところが、一度これと決めますと、ずいぶん粘る子でもありました。
中学生の頃だったと思いますが、飼っていた犬が体を悪くしたことがございました。◯◯は放課後はまっすぐに世話をして、寝るときも近くに布団を敷いておりました。誰かに言われたのではなく、自分でそうしておりました。あのときに、この子は決めたことを最後までやる子なのだと分かりました。
就職してからは、なかなか会う機会もございませんでしたが、たまに顔を出しますと、以前より話すようになっておりました。仕事の話を、こちらが分かるように言い換えて話してくれる。人に伝える仕事をしているのだなと、聞きながら思っておりました。
△△さんに初めてお会いしたのは、一昨年の秋でございます。◯◯が連れてまいりました。挨拶をされたあと、△△さんは家の中を見回して、庭の木のことを尋ねてこられました。よく気のつく方だと思いました。話の合間に、◯◯のほうを何度か見ておられたのも覚えております。
その日の帰り、◯◯が玄関で「どうだった」と聞いてまいりました。あの子がそういうことを聞くのは珍しいことです。よい人じゃないかと答えますと、うんと言って、それだけで嬉しそうにしておりました。
△△さん、◯◯はこういう子でございます。自分のことを後回しにするところがございますので、たまに立ち止まらせてやってください。それができるのは、いちばん近くにいる方だけでございます。
◯◯、これからはお二人で決めていくことになります。迷ったときは、遠慮なく声をかけてください。答えを持っているわけではございませんが、聞くことはできます。それだけは、いつまでも変わりません。
昨年の暮れに、二人でうちへ挨拶に来てくれました。玄関でお辞儀をされたとき、△△さんの背筋がまっすぐで、こちらが少し慌てたのを覚えております。上がっていただいてからは、思いのほか長い時間、話しておりました。
その席で、△△さんが◯◯に向かって、こう言われました。「それ、この前と違うことを言ってる」。◯◯は笑って、そうだったかもしれない、と申しました。人の前でそれを言えるのは、遠慮のない仲だからでございます。あの一言で、私はこの二人のことを心配しなくてよいと思いました。
お二人の毎日に、穏やかな時間が積み重なりますように。ご両家のいっそうのご繁栄を祈念いたしまして、私のご挨拶とさせていただきます。本日は、誠におめでとうございます。
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